宝満川の東岸台地に位置するのが上岩田遺跡です。工業団地造成の際に発掘調査が行われ、その歴史的価値の高さから2000年に国指定史跡となりました。東西約18m、南北約15mの大きさに、土を固めた基壇があり、その上に建っていた瓦葺(かわらぶ)き建物は、寺院の金堂と考えられる九州最古級のものです。さらに門や柵に囲まれた同じ敷地内には、大型の掘立柱建物群が並んでいました。
調査によると、寺院とこの建物群が一体となって役所を構成していたとみられており、信仰を利用して中央政権が地方の統治を進めたことを表す非常に貴重な史跡だと考えられます。なお、頑丈な基壇には沢山の地割れがあることから、多くの建物は地震のために倒壊したと推測されます。この地震は『日本書紀』にある678年の筑紫国地震とする説が有力です。
国指定史跡
【住所】 | 小郡市上岩田1082 |
【アクセス】 | 甘木鉄道「松崎駅」 直ぐ近く |
【歴史について】 | 小郡市文化財課 0942-75-7555 |