花立山穴観音古墳(県指定史跡)

市の北東部に位置する標高130.6mの独立丘陵である花立山。その南西斜面を中心に総数300基を超える古墳が点在しています。花立山穴観音古墳は、古墳時代後期の築造と推定される横穴式石室を持つ前方後円墳で、原形に近い形で残っているのはこの古墳だけです。

はやくから入口が開いていて、地元では「穴観音さん」と呼ばれ信仰されていました。内部の石壁には、線を刻み付けた(線刻)文様が描かれ、そのような古墳は数が少ないことから1976年に市指定文化財になりました。その後、2004~2006年に発掘調査が実施され、全長33mの前方後円墳になることが分かりました。古墳の内部には、南に口が開く全長12.3mの大きな複室(前と後ろに2部屋がある)の横穴式石室を作っています。現在、石室の床面は土で覆われていますが、調査によって前室と羨道の境に入口を仕切るための梱石(きしみいし)も確認されました。線刻は、石室内の6つの石の8面に、文様は格子文・斜格子文・連続三角文などが描かれ、魔除けなどの意味が考えられます。この古墳の築造時期は、6世紀の終わり頃と考えられ、この地域では最後の前方後円墳であり、また地域を代表する装飾古墳であることからその歴史的価値は高く、2007年に県指定史跡になりました。

県指定史跡

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【住所】小郡市干潟
【アクセス】甘木鉄道「西太刀洗駅」
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西鉄大牟田線「三沢駅」
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【歴史について】小郡市文化財課
0942-75-7555